ECサイト運営代行の仕事ってどうなの、という話

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朝からサイト運営代行のお仕事で、某ECサイトの商品情報をポチポチと編集しています。

本来であれば、こういった業務は若手のデザイナーたちにお願いしたいのですが、彼女たちもまた目の前の業務に手一杯らしく、クライアントに迷惑もかけられないので結局自分でやるしかありません。

川上の仕事と、川下の仕事

僕らの業界では、業務を『川の流れ』に例えることがあります。
案件は川上から流れてきて、川中の急流に揉まれながら、川下でようやくひとつの形となるからです。

スターズデザインの制作フローでいえば、「ブランド戦略の立案」が川上、「ページのデザイン」が川中、「公開後のページ更新」が川下といえます(一般的な製造業のバリューチェーンでいえば僕らの存在自体が『川下』ですが…)。

通常、僕が川上の工程を対応し、デザイナーたちが川中から川下の工程を対応していますが、冒頭に書いたように「デザイナーたちの手が足りない」といった理由で、僕が川下の仕事を手がけるケースもあります。

ここにジレンマがあります。僕が川下の仕事をやっていると、川上がおそろかになります。川上がおそろかになればPDCAの回転も落ちていきます。なんとかしなければいけません。

ECサイト運営代行サービスの問題点

僕たちは「ECサイト運営代行」を定額制で提供しています。そこそこの金額が毎月入金される(=キャッシュフローが安定する)ため、創業時は非常にありがたい案件でした。「運営代行の案件があと●本増えれば、安定した生活ができるぞ!年商が大台に乗るぞ!」と皮算用ばかり考えていたものです。

しかし、単純な運営代行は参入障壁が非常に低く、マーケティング的にいえば “レッドオーシャン”。「どこの国の人に働かせてるの!?」というような低価格サービスを打ち出す企業がライバルになるため、ビジネスの勝機は見込めません。

僕たちはブルーオーシャンを求め、『ECコンサル的な要素(施策の立案、分析)を加えたパートナー型の運営代行』を提供しようと考えだします。

これでわずかに競争力がつきますが、それでもなお、サイト運営は労働集約型産業の側面が大きいため、実入りを増やすために、①寝ないで働くか、②社員を増やすか、③外注するかの三択に迫られます。(歩合制を採用するという選択肢もありますが、これもまたリスクが大きいのです)

1日最低7時間は寝たい僕にとって、②または③の選択肢しか残りませんが、雇用すれば固定費が膨らみますし、雇用せず外注化すれば価格競争力が下がります。ペーペー経営者の僕でさえリスクを理解しています。

ひとりの作業者として某ECサイトの商品情報をポチポチと編集しながら、ひとりの経営者として「価格決定権を自分たちが握れるビジネスをもっと育てていかなければ…」と痛感しています。

一般論ですが、川上の仕事に強ければ強いほど『価格競争力』は強くなります。僕らのような小さなデザイン会社が生き残るためには、川上の仕事のレベルを高めながら価格競争力をつけていかなければ!と思います。

まだまだ課題は山積みですね。

2019.06.18

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