株式会社スターズデザイン

2017.07.27

シズル感のある写真を撮ることで、お店はどれだけハッピーになるか

オカダ@CEO
こんばんは、岡田です。
隣の席をのぞくと、デザイナーが野菜の写真とにらめっこをしています。どうやらシズル感を出すために、どこまで写真をレタッチするか迷っているようです。
このような画像加工(レタッチ)の要望は私たちの仕事にはつきものです。乾いた野菜に水滴をつけたり、密室で撮影した野菜に自然光のような光沢を出すことは、技術的には不可能な話ではありません。
しかし、2017年7月16日の投稿「世界を創造するのがデザイナーの仕事だと思っていませんか?」でも書いたように、デザイナーは魔法使いではないのです。
「いますぐ食べたい!」と感じるような写真にするためには、撮影の時点でシズル感を演出しておいたほうが正解です。不自然にレタッチすると「人工的な違和感」を与えてしまいます。とくに食品などのジャンルにおいては、消費者も安全性、偽装表現などに敏感になっているので、良かれと思ってレタッチしたことが逆効果になることもあります。私たちも気をつけなければいけません。

なぜレタッチが必要になるのか?

webデザインの本来あるべきワークフローからすれば、(1)サイトの方向性を決め、(2)ワイヤーフレーム(設計図)を描き、(3)どのような写真素材が必要になるか洗い出し、(4)写真の雰囲気までイメージしたうえで、カメラマンが撮影が行います。
上記のワークフロー通りに案件が進んでさえいれば、カメラマンによる撮影の段階で、野菜に水を吹きかけたり、切りたての水々しい状態で撮影したりといった、シズル感を出すための演出ができます。撮影が終われば、デザイナーが写真素材をページに当てはめていくだけです。
しかし、往々にしてワークフローは崩壊します。
その代表的なパターンは『ワイヤーフレームが設計される前に、素材が用意されてしまうパターン』です。「チラシを作ったときに撮った写真があるから、それ使ってよ!」「いま手元にある写真だけで何とかしてよ!」と言われてしまうことは、この世界では頻繁に起こります。
こういったお客様には、食品の販売においては「シズル感のある写真」が重要なことをしっかり伝えなければいけません。その際に「クオリティの高いページを作りたい」という制作サイドの都合ばかりを押し付けてはいけません。
シズル感の有無で、クライアントが手にする利益に大きな差が生まれる可能性があることを伝えることが大切です。

撮影費用を惜しめば、利益を失うこともある

実際に、ECサイトのロジックに当てはめて考えてみましょう。
あなたはインターネットでトマトを販売したいとします。そのトマトは化粧箱に入った高級トマトで、1箱の値段は5000円です。過去の実績から、このトマトの商品ページには1,000人/月の集客が確実視されています。
あなたは、デザイン会社のディレクターから「野菜を売るなら、みずみずしい写真を撮ったほうがいいですよ!」とアドバイスを受けました。
そこでプロのカメラマンに見積もりを依頼したところ、提示された撮影費用は30,000円でした。
いま、あなたは「30,000円を使ってシズル感のある写真を手に入れる」か、あるいは「自分のスマホの内臓カメラでソコソコの写真を撮って良しとする」か、どちらにするか迷っています。

転換率の仮説をたてる

一般論ですが、食品の写真にシズル感がない場合、美味しさが十分に伝わりません。そんな写真では、100人が見て「食べたい!」と思うのは1人だけだとしましょう。つまり転換率(ページのアクセス数に対する購入率)は1%という仮説になります。
一方、シズル感がある写真を使った場合、お客様は「あら、美味しそう!」と感じます。100人が見れば、3人ぐらいは買ってくれるかもしれません。この時の商品ページの転換率は3%という仮説です。
さて、これを前提条件とした時に、どれぐらいの売上の差が生まれるでしょうか。

仮説をもとにシミュレーション

さっそく計算してみましょう。
シズル感のないページの売上は【 1,000人 × 1% × 5,000円 = 50,000円 】という計算が成り立ちます。一方、シズル感のあるページの売上は【 1,000人 × 3% × 5,000円 = 150,000円 】という結果になります。
いかがでしょうか?
転換率の仮説が正ければ、1ヶ月後にはなんと100,000円もの売上差がつきますね。仮に利益率を100%とした場合、カメラマンに撮影してもらったほうが撮影費用を差し引いても70,000円も利益が残るので正解だといえます。
デザインの仕事といえば、高度な美的感覚をそなえた人のための仕事だと思われがちですが、私はデザインこそロジックありきだと思っています。撮影の重要性ひとつとっても、ロジックをもってお客様に伝えていけば、世の中のECサイトはもっとハッピーなものになるのではないでしょうか。
それでは、また。
今日の写真:どっちが美味しそうに見えるかな
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