ヤフーのZOZO買収に思うこと
この記事を書いた人
1976年 静岡県生まれ。CEO、ブランドマネージャー、ディレクター、コピーライター、日曜エンジニアと5足のわらじで活動中。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会『ブランドマネージャー1級資格』保有者。
朝、出社前のひとときに飛び込んできた衝撃的なニュース。
ヤフーがTOBでZOZOの株式の過半数を取得し、子会社するということです。そして、前澤社長も退任。二重の驚きです。
失速を考察する
直近のZOZOの失速ぶりは僕らの目にも明らかで、世間では空前の愚策ZOZO ARIGATOがトリガーっぽく語られていますが、僕がひとりの消費者として感じるのは、もう少し前から起きていたZOZOのブランド低下が失速のトリガーではないかということ。
良くも悪くも、ZOZOTOWNというモールは前澤さんや前澤さんを慕って集まってきた感度の高い方々が成長のエンジンだったように思います。
出店するブランドは、どこも洗練された人気ブランド。学生たちが頑張ってバイトして、ようやく買えるようなそんなブランドが、全国どこからでもかえるようになったことに最大の魅力があったと思います。
ところが最近は、近所のイオンモールで買えるようなファストファッションまで出店しています。服を取り扱っているショップなら誰でも出店できるような、プレミア感のないモールになったのです。
ファストファッションとの価格競争の誘発の末、コスト削減を迫られたブランドは製品の品質を落としていく…そんな負の循環が起きるのは当然です。
集客力を手にいれたZOZOは殿様になり、僕たちが若い頃に憧れていたファッションブランドが、ZOZOに媚びるような商売をしている。
そんな未来は見たくなかったなぁというのが僕の本音でありつつ、デフレ社会の現実も感じます。
なんだかんだと期待は続く
それでもやっぱりZOZOが日本のファッション市場に大きな影響を与えた事実は揺るがず、ファッションをもっと身近にした偉大なサービスだと思います。
楽天もamazonも成し得なかったことをやってのけた前澤さんは凄い。
今後は新体制になりますが、これからはヤフー傘下で収益性についてさらに厳しく追及されるようになることでしょう。
かつてのような姿に戻ることは厳しいかもしれませんが、どこまでブランドを回復できるのか。
新しいZOZOに期待したいと思います。