web designer is not designer?
この記事を書いた人
1976年 静岡県生まれ。CEO、ブランドマネージャー、ディレクター、コピーライター、日曜エンジニアと5足のわらじで活動中。一般社団法人ブランドマネージャー認定協会『ブランドマネージャー1級資格』保有者。
昨日、東京出張のついでに久しぶりに八重洲ブックセンターに足を運びました。
書店に行くたび、いつも思うことがあります。
書店というのはジャンルごとに分類された『コーナー』で構成されているのですが、「デザイン」と区切られたコーナーに、webデザイン関連の本が置かれないのはなぜでしょうか。
書店に並ぶ「デザイン」書籍
「デザイン」のコーナーに置かれているのは、おもに以下のような分類の本です。八重洲ブックセンターに限らず、近所の書店でも同じ傾向です。
- ハウツー系
ex. なるほどデザイン - 読み物系
ex. 誰のためのデザイン? - 作品集系
ex. 一目で伝わる 構図とレイアウト - 色彩系
ex. 配色アイデア手帖 - 雑誌&ムック系
ex. デザインノート - コピーライティング系
ex. 何度も読みたい広告コピー - ロゴ系
ex. ロゴと展開 ブランドイメージを伝えるデザイン
他にも、ファッションやテキスタイルに関する資料や、店舗の内装に関するアートワークの書籍などが並んでいることがほとんどです。
余談ですが、事例として並べている本は、いずれも良書です(弊社はすべて所有しています)。もし興味があれば読んでみると良いと思います。
webデザインは「デザイン」ではない?
さて本題に戻りましょう。
不思議なことに、僕らが愛するwebデザインやUI/UXデザインといった類の書籍は、このコーナーから除外されているケースが多いように思います。
往々にして「理工書」ないし「マーケティング本」のコーナーに並んでいます。隣り合っているならまだしも、フロアすら違うことも多いですね。
「年商20億円かせぐ! Amazonせどりの王道!」みたいな本の隣に置かれているのを見ることもあります。何でもかんでも【IT】で一括りにするなよ、と・・。
デザインという分野も、活躍するフィールドは多岐に広がっているので、ひとつのコーナーに括るのは難しいと思います。それはわかっているのですが、それでも僕は書店に行くたび、自分が誇りをもって取り組んでいる「webデザイン」が、世間ではデザインとして認められていないようで、なんともいえない寂しさを覚えるのです。
なぜ区別されてしまうのか
テクノロジー要素ばかりがwebデザインの特徴として認識されてしまっているがゆえに、こういう括りになっているのでしょうが、ビジュアルコミュニケーションで課題を解決しようとする本質に目を向ければ、グラフィックデザインだろうwebデザインだろうと、括りは変わらないはずです。
webデザイナーは、テクノロジーよりも先に『デザイン』をきちんと学ぶべきだと思います。書店でまず足を運ぶべきは「デザイン」のコーナーです。マークアップ技術だけで顧客の悩みを解決できるはずがありません。
「綺麗なデザインでは売れません」みたいなレベルの低い発言をする制作会社が増えたり、webデザインといえば、どこかオタクっぽい子たちが目指す場所になってしまっているのは、 こういった周囲の環境にも影響されているような気がします。
余談ですが・・
そもそもwebデザインをテーマにした本(とくに作品集の類)にはロクなものがない(笑)。webデザインはトレンドの変化が速く、良書が生まれにくいという背景があります。
そのかわり、すぐれたデザインのサイトを紹介する、「ギャラリーサイト(まとめサイト)」という分野が発展しています。スターズデザインのwebサイトも、webdesignclip様ほか、いくつかのギャラリーサイトに掲載されています。
でも、ギャラリーサイトを眺めるのも勉強になりますが、昭和の人間としては出版業界にまだまだ期待したいです。