お客様への愛情をもって作られた『手書きチラシ』は、デザイナーの仕事を超える

こんにちは、岡田です。

8月16日で夏季休暇も終わり、さぁ仕事モード!と張り切っていたのですが、2日間働いただけであっという間に週末です。

5年前に夫婦ふたりで創業して以来、年間休日123日を例年キープしているのですが、もうすこし働いた方が世のためになるのかなぁと少し悩んでしまいます。でも、しっかり休んで、いっぱい遊んで、街にでて。そうしてクリエイティブ脳を育てることも大切な仕事だと思っているので、今期もしっかり123日はお休みをいただこうと思っています。

丁寧に作られた手書きのチラシにはかなわない

ひさしぶりにスッキリした天気の土曜日。本日の朝食は、掛川市初馬にあるパン工房「ポワポワ」さんで焼きたてのクロックムッシュ、そしてクロワッサンに自家製アイスクリームを挟んだものを買いました。(これがまた超絶おいしい!)

さて、パンのおいしさはさることながら、私が感心したのは買い物袋に入っていた1枚の『手書きチラシ』です。

やや厚めのクラフト紙をベースに、季節のイベント、定休日の情報、スタッフさんの日記といったコンテンツがアナログ手法(手書き)で描かれたチラシで、お店のオーガニックな雰囲気にぴったりマッチしています。

このチラシを手に取るお客様の顔を思い描きながら、絵心のあるスタッフさんが丁寧に原稿を書き込んでいるんだろうなぁと想像すると、なんだかホッコリしますね。

フォント(書体データ)と手書き文字の差

定番フォントは読みやすい、しかし…

たとえば読み物というコンテンツひとつをとっても、定番フォント(ヒラギノ明朝や小塚ゴシックといった書体データ)で表現された読み物は、見た目にも美しく可読性が高くなる反面、それゆえに『ななめ読み』するだけで大まかなに内容が判断できてしまうという側面をもっています。それは、本当に伝えたいセンテンスが読み飛ばされるリスクがあるともいえます。

手書き文字は読みにくい、でも…

一方、手書きの読み物は、見た目の美しさや可読性といった面では、定番フォントで表現されたものには敵いません。文章のなかにくりかえし登場する「あ」という文字も、その1つずつに微妙な図形の違いがあるため、ななめ読みだけで内容を把握することは困難です。それだけに、読み手はそこに書かれた内容を理解するためにじっくりと文章と向かい合う必要があります。本当に伝えたいセンテンスが読み飛ばされるリスクは少なく、また、記憶に定着しやすいといえます。しかし、読み手の気持ちを考えない粗雑な字体ではハナから読む気も失われてしまうので、決して誰にでもできる仕事ではありません。

手書き風フォントは、あなたの文字ではない

デジタルにどっぷり浸かってしまったデザイナーは、「それならば手書き風のフォントで・・」とフォント探しの旅に出かけてしまうことでしょう。でも、それは本質を見ていないといえます。

手書き風のフォントから、あなたの人間性を発信することはできません。読み手のことをイメージしてペンを走らせるとで、その瞬間の感情が文字に現れます。それだから手書きの文章は魅力的なのです。

私たちはこの職業柄、デジタルでなんでも表現しようとしてしまいがちですが、ときにはアナログで五感に響くようなクリエイティブを考えることも重要だと気付かされた土曜の朝でした。

それでは、また。

今日の写真:ポワポワさんの手書きチラシ。

2017.08.19

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