六畳一間のデザイン事務所

この記事を書いた人

6畳一間のデザイン事務所

三連休の最終日。どこにも行く予定がないため(仕方なく)自宅の敷地内に建てられたミニハウスの大掃除をしました。

いまでは年老いた両親がたまにやってきては庭いじりの休憩小屋として使っているこのミニハウスですが、創業してまだ間もない頃、僕はこの六畳一間を事務所にしていました。

厳密には母屋を建てるよりも前にミニハウスを建てていました。僕は市内の賃貸アパートに住みながらミニハウスのデザイン事務所に通うという日々を過ごしていたのです。

余談ですが、ミニハウスは島田市の小林組さんというミニハウス専門の業者さんに建ててもらいました。建築の手際の良さにびっくり!基礎工事を含めて1週間もかかりません。ちなみに長持ちさせたいなら鉄鋼系(スズキハウスとかの)ミニハウスが良いらしいのですが、僕は見栄えにこだわってログハウス風の離れにしました(デザイン屋なので、見た目が重要です)。

ほどなくして母屋が建ち、仕事場も母屋の一部屋へと移ったのですが、それでもこの六畳一間で過ごした『創業期の濃密な時間』は僕の記憶に深く染み付いています。

ZOZO創業者の前澤さんも退任発表の記者会見で「自宅の六畳一間で会社を立ち上げたあのワクワク感、あの時の興奮が忘れられない」とおっしゃっていましたが、あれだけビッグな経営者さんにもそういう時代があったんだなぁと、少しだけ共通点が見いだせて嬉しい気持ちになったものです。

この六畳一間で過ごした創業期はとても貧乏で苦しい時期でした。

取引先を選んでいるような状況ではなかった僕らは、びっくりするほど安い仕事や、理念に沿わない胡散くさい仕事も引き受けていました。僕らがECサイト制作とブランディングに集中するようになったのはまだもう少し先の話です。

その当時があって現在があるわけですが、当時の帳票や資料を見るたび当時のモヤモヤ感を思い出し、胸が締めつけられる感覚を覚えます。

僕の胸を締めつける資料の山を、今回バッサリと処分することにしたのは言うまでもありません。

2019.09.23

©2019 Starsdesign Co.,LTD.