新卒のwebデザイナーを採用するために工夫した2つのこと

今週は「2018年度の新卒採用」の面接があります。今回の募集職種はデザイナーですが、応募してくれた学生たちはみな優秀で、面接日が楽しみです。

2年前、まだ個人事業だった頃にも新卒採用したことがあるのですが、残念ながら定着せず、苦い経験として僕の心に残っています。そこで、今年の採用活動では同じ轍を踏まないように、いくつかの工夫をしてみました。

1.インターンの実施

僕たちの場合、大企業のように何段階もの選考過程をもつことはできません。応募者の人間性やスキルを評価するチャンスは、書類選考と1~2回の面接に限られています。

また、スキルの優れた人材を採用しても「社風が合わない」といった理由で退職してしまうことも考えられます。社風はあなたたちが作るものですよ…と愚痴のひとつも言いたいところですが、採用前後にかかる時間と費用を考えれば、シャレにならない問題です。

そこで、今回は応募期間前にインターンの受け入れを行いました。各学校から弊社に興味をもっている学生をインターンとして迎え入れ、その期間で人間性とスキルの評価を行うことにしたのです。

会社見学で終わらせないために

インターン期間は、学生1人あたり1週間以上。各学校の就職課によるとインターンの受け入れ期間は1~2日という会社が多いそうです。しかし、弊社は1週間以上にこだわりました。

デザインは専門職なので、わずか1~2日間で実際のクライアントワークに触れることも、成果物を生むことも難しく、会社の雰囲気をなんとなく感じて終わりです。それは僕からすれば単なる会社見学で、1年生ならまだしも就活年次にやるようなことではないと思うのです。

インターンに来る学生が「その業界でやっていけるのか?」「実際の業務プロセスは?」「自分に足りない能力はなにか?」これらの答えを求めているのであれば、最低でも1週間は社員の隣に机を並べて、正規の仕事を体験するべきでしょう。

今回のインターンでは、弊社のビジョンに賛同してくれた学生がいたり、web業界への挑戦の気持ちをを強くしてくれた学生がいて、僕は大成功だったと考えています。

2.デザイナー採用枠の拡大

本年度の採用は2名を予定していますが、事業規模を考えれば1名でも十分です。身の丈に合わない採用活動はリスクが大きいです。しかし、2名採用することには人材育成の戦略的理由があります。

デザインの師匠と、ライバルの存在

僕は、デザイナーが成長するためには『師匠』と『ライバル』の存在が必要だと考えています。師匠とは背中を追いかけたくなる存在、ライバルとは腕前を競い合い、励まし合う存在です。デザイナーに限らず、職人系の世界で共通しているのではないでしょうか。

スターズデザインで新人を指導するのは、EC業界で10年以上活躍している八木です。僕から見れば彼女も成長過程ですが、新人デザイナーたちにとってみればどうでしょうか。先輩との間には10年以上のキャリア差があり、多少腕のたつ新人だとしても簡単に埋めることはできないはずです。

仕事とは残酷なもので、クライアントは「先輩達の実績」を見て、スターズデザインに仕事を依頼します。誰がデザインを担当しようと、クライアントがイメージするクオリティで納品しなければ顧客満足度は下がってしまいます。顧客からの「なんだか今回はイマイチだね」の声は、新人デザイナーの心に重く響きます。

ライバルは、近いほうがいい

新人デザイナーは、上司やクライアントからの厳しい声をバネに成長を目指すことになります。その成長を助けてくれる存在が、同年代の同僚たちです。彼らは互いにプレッシャーをかけあいながら成長していきます。

しかし、残念ながら現時点のスターズデザインには、10年の実務経験をもった『師匠』しかいません。

大きすぎるレベル差は、新人が自信喪失する原因にもなります。2年前に門をたたいた新人デザイナーは自信を喪失し、負が連鎖するかたちで自分を見失い、ハッピーではない理由で僕たちの元から離れることになりました。

経営者として「いまどきの新人は・・」とか「これだからゆとり世代は・・」など、社会のせいすることは簡単ですが、それでは会社に進歩はありません。

あらためて書きますが今回の採用枠は2名です。小さな組織のなかでも競争を生みだし、お互いの良さを吸収し、苦手を補完しあい、たまには居酒屋で社長や先輩への愚痴をこぼし合い、腐らずに励ましあう存在になってもらいたいと思います。

僕自身は、新卒入社という経験がありません。大学を中退してフリーター生活を送った身です。同期という存在すら出会ったことがありません。

自分が経験してこなかっただけに、これから入社する新人たちの悩みに気がつかないことがあります。社長といえども、まだまだ社員から教わることのほうが多いですね

2017.07.10

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